本文へジャンプ

不動産よくある質問

不動産よくある質問へ

詳細・事例

越境して作られた擁壁の撤去請求について

難しい問題ですが、おおまかな答えをするならば、相手方に撤去をしていただくのが筋だと思います。

事例
【質問】
お互いに公団からの定期借地権者である当家と隣家の境界線上に、隣家が擁壁を作りました。この擁壁は、3年程前に隣の方が家を新築されるときに作られたブロック塀で、道路面から2メートルの長さで壁芯がちょうど境界線上にくるように作られています(つまりブロックの厚さの半分、基礎部分はそれより1センチ位余分に越境しています)。

この塀が作られた当時、私にとってわずかな越境はまったく問題ではなく、完成後しばらくたってから費用負担を求められたときにはお断りをしましたが、その際にも抗議等は一切しませんでした。ところが、私の借りた土地は公団に返すことにし、自分で作った工作物を撤去したのちに公団に対して契約の解除を求めたところ、この擁壁を撤去しなければ契約解除に応じられないとの返答が返ってきました。

そこで現在お隣の方と協議を進めているのですが、前回の話しの中で、この擁壁が越境する形で作られたのは施工業者の進言(または判断)によるものとの発言がありました。

さて、このようなケースでは、撤去請求の権利や撤去の実行や費用を負担する義務について、どう解釈すればよいのでしょう。

【回答】
難しい問題ですが、おおまかな答えをするならば、相手方に撤去をしていただくのが筋だと思います。まず、整理しますと今回の塀の造作を相手方がおこなったこと。それに対して貴方が費用請求を拒否したこと。但し、造作の拒否をしなかったことが、一つ問題として残ります。

境界の真中に造作したのが、その業者の一般的な判断であったこと。通常は、相手方の造作に関しては相手方の敷地内にすることが当たり前なのです。ですので、その造作物の所有権が相手方の物である限り、例え貴方の敷地内に不法に越境したものであったとしても、貴方が一方的に撤去できなくなっているのです。

つまり、他人の所有物が貴方の敷地に不法に造作されている、そして貴方は今回の件がなかったとしたら、それを容認しているということが問題になるのです。例え、他人の敷地であっても悪意であっても、20年不法にしようして専有していれば、所有権の獲得が可能になるという民法上の私権があります。今回のケースで、その造作されたのが何時なのか、そして貴方がそれに対して異議を申し出なかったのか、それが問題にもなります。

トップへ戻る